「大奥」(よしながふみ著)の最終巻を読んだ。
「大奥」は男女逆転歴史ファンタジー。
男性だけが罹る疫病が流行り、男性が激減し女性がメインとなった江戸時代が舞台。
将軍は女性、大奥は男性ばかりだ。
将軍家を守ろうとする女将軍と、それを支える大奥の男たちの物語が描かれてきた。
やがて、男たちを激減させた疫病の治療法が見つかり男女比が戻り、開国、明治維新へとストーリーは進む。
最終巻では、いよいよ江戸城開城を迎える章だ。
官軍は鳥羽伏見の戦いで勝利し、江戸城に進軍してくる。
このままでは、江戸の住民たちと江戸城で働く人々は戦火に巻き込まれてしまう。
江戸の街を戦場にしないために活躍する勝海舟に協力する大奥の正室たち(薩摩出身や皇室出身)と、正室たちを支える大奥の男たち。
一つの王朝の終わりを男気?あふれる(自分を犠牲にして弱い立場の人を守るという意味)人々の物語として描いた作者の力量にほれぼれ。
実際の歴史でも、戦火をできるだけ避けた江戸幕府のこの終わり方が、昭和の終戦にも影響した気がする。